オミクロン株、マスクなしで15分会話「感染確率60%」 スパコン富岳が予測
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202202/0015030184.shtml
理化学研究所(理研)などは2日、神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「富岳」を使い、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染リスクについて研究結果を発表した。
感染者がマスクなしで15分間話した場合、1メートル離れていても感染確率は60%程度になると推計。
マスク着用や人同士の距離、接触時間短縮の重要性を示した。
理研計算科学研究センターのチームリーダー、坪倉誠・神戸大教授らの研究。
発声時の飛沫をシミュレーションすると、マスク着用の場合、着けない時と比べて飛散量を3分の1程度に抑え、飛散距離も抑えられることを示した。
さらに、過去に海外で発生した五つのクラスター(感染者集団)のデータをもとに感染確率を推定した。
オミクロン株は、デルタ株の1・5倍の感染力として計算。
感染者がマスクなしで15分話した場合、1メートル離れて対面すると、感染確率は約60%だった。
2メートル離れると約25%まで下がった。
接触時間が長くなるほどリスクは高まった。
感染者がマスクなし、距離1メートルで30分話すと、80%以上に上昇。
1時間でほぼ100%となった。全体的に、デルタ株と比べて確率は10ポイント前後高かった。
一方、感染者が15分の会話時にマスクを着けていれば、1メートル以上の距離で感染確率は0%になったが、25センチに近づくと約10%だった。
距離が50センチの場合でも、対面が1時間に延びると、10%程度まで上がった。
学校での感染拡大について坪倉教授は「リスクが高いのは、授業より休み時間の会話ではないか」と指摘。
「マスク着用で安心するのは危険。原点に戻り、距離や接触時間についても意識しないといけない」と呼び掛けた。
このほか、飲食店でパーティションや換気扇などを使って感染対策をすることで、リスクを3分の1程度まで下がることも示した。