
ビットコイン採掘の騒音、近隣から苦情殺到
「歯医者の巨大ドリルのようだ」との声も
カナダの主要都市モントリオール近郊にあるシャーブルック市には、暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)会社ビットファームズが進出してきたことで、巨額の税収が転がり込んだ。
だが、同社のコンピューターセンターの近隣住民500人には、別のモノが届いた。逃げることのできない騒音だ。住民は気が狂いそうになると口をそろえる。
シャーブルック市議会議員のポール・ギングス氏は、地元の有権者から騒音について苦情が寄せられているとして、騒音は「拷問に等しい」と話す。
ビットファームズ(カナダ・トロント)は、高性能コンピューターを使ってビットコインを採掘する。マイニング業界は早い者勝ちの世界で、近道もない。そのため、大量の高速コンピューターを常時稼働させておく採掘業者が新規のビットコインを手に入れる確率も高くなる。
こうした高性能コンピューターは、大量の送風機による冷却が不可欠だ。だが、そのブーンという騒音がここにきて、カナダのケベック州から米国のジョージア州、モンタナ州など各地でマイニング施設の近隣住民をイラつかせ、疲弊させている。歯を削る巨大なドリルに例える声もあれば、裏庭から複数のヘリコプターが一斉に離陸するようだと表現する人もいる。
「自宅の中でも耳栓を着けている」。こう話すのはジョージア州アデル在住のアネット・ティベロンさん(74)だ。カナダのビットコイン会社ブロックストリームが所有する施設が稼働を開始して以降、ポーチに座っていることはできないという。ティベロンさんはまるでヘアドライヤー1000台を一気に使用するような音だと表現する。
ビットコイン価格は過去1年に310%余り高騰。今月には6万7000ドルを突破して最高値を更新した。ビットコイン先物に連動する上場投資信託(ETF)が上場したことが追い風だ。ビットコインの快走は、ビットファームズなどマイニング会社の収益も押し上げている。
マイニング会社は、より静かな機器を導入するとともに、施設の周辺に防音壁を設置して対応していると説明する。
前出のティベロンさんは、自宅からブロックストリームの施設が目視できる。騒音計で音量を測定したところ、玄関先のポーチは70デシベル以上と、掃除機と同じ音量だった。室内は約53デシベルで、食洗機程度だったという。
(以下ソース)
https://jp.wsj.com/articles/bitcoin-mining-noise-drives-neighbors-nutsa-giant-dentist-drill-that-wont-stop-11636937740