運営会社の親会社社長らが破産法違反容疑で逮捕され、事実上経営破綻していた「淡島ホテル」(静岡県沼津市)の従業員約80人全員が11月いっぱいで自主退職することがわかった。失業保険などを得て生活を立て直し、ホテル再開につなげるのが目的。近く、再開に向けた事業計画などを発表する。

同ホテルをめぐっては、元運営会社の親会社社長ら5人が破産を申し立てたホテルの借地権などを別の会社に移したように装って債権者に不利益を与えたとして、破産法違反(詐欺破産)の疑いで逮捕された。うち二人は今月上旬に同罪で起訴されている。

関係者の逮捕を受け、ホテルの運営は事実上破綻(はたん)。9月からは従業員の給与が一切支払われなくなった。ホテルの運営資金も振り込まれなくなり、取引先への支払いも滞っていた。

債権者の会の原和良顧問弁護士によると、取引先への未払い額は3千万円に上るという。すでに受けていた予約客らに対応するため、ホテルは現金収入などをやり繰りし、有志の従業員が無報酬で営業を続けてきた。

男性支配人(39)ら数人には、運営会社から一方的な解雇通知が届いた。それでも支配人らは、予約客らに対応するため営業を続けてきた。

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