「嫉妬はしていない」──。先週、飛び出した安倍元首相の“嫉妬発言”に政界がザワついている。

■焦りの裏返し

 19日配信された時事通信のインタビューでは、茂木幹事長を“ポスト岸田”の有力候補の1人としている。どちらの安倍発言も、岸田政権の“コアメンバー”から外された焦りの裏返しとみられている。

 安倍元首相の“嫉妬発言”があったのは、13日に出演したBS日テレの番組。岸田首相が麻生副総裁と茂木幹事長との関係を重視していることについて、「それで嫉妬するわけではない。私も茂木さん、あるいは麻生さんと信頼関係はある」と、強気を装ってみせた。しかし、総理まで務めた政治家が“嫉妬”と口にするのは異例のことだ。

 実際、安倍元首相が嫉妬するほど岸田─麻生─茂木の3人が、急速に関係を深めているのは間違いない。3人で定期的に会合も開いている。実質、岸田派(42人)─麻生派(53人)─茂木派(53人)の3派閥が、岸田政権の主流派となっている。安倍元首相はこの3派体制に相当な危機感を抱いているという。

「いま岸田さんが一番、気を使っているのが麻生さんです。53人の麻生派が本気で支えてくれれば、政権は揺るがないが、もし半身になられると政権はグラついてしまう。2番目が茂木さんでしょう。岸田派─麻生派─茂木派の3派閥が結束していれば強いと考えているようです。岸田さんにとって安倍さんは3番目です。もちろん、安倍さんとケンカする気もないし、敵に回すつもりもない。ただ優先順位が低いというだけです。でも、95人という最大派閥を率いる安倍さんは、コアメンバーから外されていることが我慢ならないのでしょう」(政権関係者)

https://news.yahoo.co.jp/articles/298f5f265f760a43f83f060f8f7da6eba6d7e060