日銀総裁、物価2%に近づく可能性に言及 上昇加速へ懸念も

<物価上昇、先行きへの懸念>

政府内では、現時点で物価上昇は主要テーマになっておらず、日銀に政策対応を求める声も目立っていない。
ただ、先行き物価上昇ペースが拡大することを懸念する声が一部で出ている。米国の金融緩和縮小による円安方向への圧力に対して、
ある経済官庁幹部は「食品などの値上げはCPIよりも早いペースで加速しており、CPIが上昇する前に消費が下押しされる可能性がある。理論的には物価上昇対策の検討がいずれ望まれる展開だ」と話す。

また、一部政府・与党関係者の間では「日銀が利上げする必要はないが、1ドル=115円以上の円安は日本経済に厳しい。
上場投資信託(ETF)の買い入れ量を減らすなど資産買い入れの調整で円安圧力を緩和して欲しい」(元経済官庁幹部)などの声が聞かれ始めた。

大和証券の岩下氏は、黒田総裁の任期中に緩和政策の修正に向けた地ならしが始まる可能性があるとみている。
ただ、物価の上昇基調に加え、コロナ前の水準に経済が回復することやFRBの利上げが地ならしを始める条件になると話す。

https://jp.reuters.com/article/boj-inflation-idJPKBN2IU0LW

ステルス値上げ!? 〜“安いニッポン”の現実〜
消費者行動に詳しい専門家は、日本社会の構造的な問題点を指摘します。

久我 上席研究員
「コストが増えれば商品の価格を上げるのが自然な行動ですが、日本では賃金が上がらない中で、安くてよい商品があるのが当たり前という『デフレマインド』が醸成されてしまっています。
若い年代は、同じ年数を働いても収入が伸びにくくなっていますし、少子高齢化の中で社会保障への不安も非常に強くなっていて『できるだけ安くモノを買いたい』という節約志向が消費行動の土台になっているのです。
特に日本ではこうした消費者の割合が他の国より高くなっている現状があります」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211210/k10013382711000.html