米国株、ダウ続落し339ドル安 景気敏感株に売り ナスダックは「調整局面」入り

19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比339ドル82セント(1.0%)安の3万5028ドル65セントで終えた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われてダウ平均は上昇して始まったが、買い一巡後は景気敏感株を中心に売られて下げに転じた。取引終了にかけて売りが強まる展開で、ほぼこの日の最安値で終えた。

前週発表の昨年12月の米小売売上高が前月比で減ったのを受け、米景気への強気の見方が後退しつつある。その中でインフレ加速に対応して米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急げば、景気の減速感が強まるとの懸念がくすぶっている。19日の米原油先物相場は連日で7年ぶりの高値を更新したのも、インフレ観測を招いた。

景気敏感株の下げが目立った。航空機のボーイングは4%、建機のキャタピラーは3%下げた。消費関連株も売られ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやホームセンターのホーム・デポが安い。前日に発表した決算で1株利益が市場予想を下回った金融のゴールドマン・サックスも連日で売られた。

米長期金利は19日未明に1.90%と2年ぶりの高水準を付け、日中も1.8%台半ばで高止まりした。金利の先高観は続いており、株式相場には資金が入りにくい。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株への売りも続いた。

スマートフォンのアップルは2%安、ダウ平均構成銘柄以外では電気自動車のテスラと半導体のエヌビディアは3%あまり下げた。半導体製造装置のアプライドマテリアルズが6%強下げるなど、半導体関連株は総崩れだった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZASB7IAA05_Q2A120C2000000/