大阪府は11日、新型コロナウイルス感染者の宿泊療養用ホテル41施設のうち19施設で、ホテル側が1人1日2700円の弁当代から経費を最大700円差し引いていたことを明らかにした。
府は療養者の食事の質が下がるとして、ホテル側に見直しを求めた。

 ホテルは府が借り上げ、国が宿泊費などを全額補助している。
療養者には食事が無償で提供され、府は1日2700円(1食900円)分の弁当代をホテルに支給。
ホテルが業者から弁当を購入している。

 先月、ネット上で食事内容が費用に釣り合っていないとの指摘があり、府が実態を調査。
ホテル側が、弁当の発注経費や、配膳を担当するスタッフの人件費として療養者1人1日あたり700〜59円を差し引いていたことを確認した。

 ホテルが経費を請求することは問題ないが、府はホテル側との契約書に、弁当代から差し引くことができないことを明記していなかった。
このため、府は「契約違反には当たらない」として、ホテル側に経費分の返還は求めない方針。
今後は、弁当を納入する業者からの領収書を確認するなどの再発防止策を取るという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220312-OYT1T50060/