ゲス創業者に再びセクハラ疑惑 創業者側は「虚偽の訴えをでっち上げ」と対決の姿勢(WWDJAPAN.com)
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ポール・マルシアーノ(Paul Marciano)=ゲス(GUESS)共同創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(COO)からのセクシャルハラスメント被害を告発した女性モデル2人が、ゲスの取締役がマルシアーノのセクハラをほう助したと主張して、ロサンゼルス郡上級裁判所に提訴した。

提訴したのは、アマンダ・ロドリゲス(Amanda Rodriguez)と「グウェン」と名乗る2人の女性モデルだ。訴状の中では「匿名1」「匿名2」と記されている。訴状の中で「匿名1」は、マルシアーノに胸を触られ、その大きさについて複数回にわたってコメントされたと主張する。「匿名2」は、イタリア・コモ湖での撮影時にマルシアーノから両頬にキスするよう求められ、不快な気持ちでそれに応じたと主張。また、2020年7月に行われた別の撮影では、バスローブ姿の状態で写真撮影を求められ、むき出しになっていた肩を撫でられたという。
「匿名1」および「匿名2」がゲスの取締役を提訴したことは、両名の代理人弁護士が開いた記者会見で明らかとなった。この会見は、これまでにもセクハラ疑惑があったマルシアーノを会社から追放するようゲスに圧力をかけることが目的だ。
これに対してマルシアーノ陣営は即座に反論。マルシアーノは、「(原告の代理人弁護士が所属する)ブルーム法律事務所は、高額の和解金を引き出すために私や他の人のレイプ疑惑に関する虚偽の訴えをでっち上げた。彼らの計画はうまくいかない。誰が真実を述べているかは裁判所が決めるだろう。そして(ブルーム法律事務所の創業者)リサ・ブルーム(Lisa Bloom)へ。もし私が正しくなければどうぞ訴えてください。私が思うに、あなたは非倫理的な弁護士だ。自分の行動の責任を取らなくていいからあなたはメディアの注目をあびることが大好きで、実際の証拠や証明が必要となる法廷に立つのは嫌いなのだろう」と声明を発表している。

原告代理人のブルーム法律事務所は、18年にマルシアーノに対する12の性犯罪の疑惑が持ち上がった際に取締役会がマルシアーノをCOOに復帰させ、女性モデルに再び“自由に接触”することを承認したと主張。また、本件が明らかになった後に同社はマルシアーノに対して310万ドル(約3億6800万円)のボーナスを支給したと主張する。「匿名1」および「匿名2」は、マルシアーノのセクハラをほう助したとして役員を提訴している。両名の代理人は、この訴訟はモデルにセクハラをはたらいた本人だけでなく、それを助長した者の責任も問うものだと話す。

18年には女優のケイト・アプトン(Kate Upton)がマルシアーノから受けたセクハラの詳細を公表。その後、マルシアーノからセクハラを受けたと訴える5人の人物に対して、マルシアーノは計50万ドル(約5900万円)の和解金を支払った。ゲスが米国証券取引委員会に提出した報告書によると、同氏の責任や落ち度を認めたわけではないが、訴訟に進むことで生じるコストを回避するために和解を選択したとされている。この一連の騒動を受け、マルシアーノは当時、エグゼクティブ・チェアマンを辞任。19年1月末までにCOOとしての職務も引き渡し、任期満了時に契約を更新しないことを取締役会に確約していた。しかし、19年1月末には一転、COOに留任することが明らかとなった。マルシアーノが確約に反してCOOにとどまったことについて同社は、「取締役会の要請によりマルシアーノがCCOにとどまることを受け入れた」と説明していた。