川中の島々の影から
川の波頭の荒涼なところから
飾り立てて漕ぎ出てゆく
船首が突き出た船々。

先頭にステンカ・ラージン
貴族の娘を抱いて、座っている。
新婚を祝って、
上機嫌に酔っている。

背後に彼らの不平が聞こえる。
「我々と女を取り換えやがって!
夜を彼女と過ごしたら、
朝には彼自身が女々しい男になりやがって。」

その不平と嘲笑いを
雷の頭目が聞いていた。
そして強烈な首領に
ペルシャの姫の体は抱かれていた。

その黒い瞳は逆立ち、
危険がせまっている。
凶暴な性格が血走った
頭目の目。

何も悲しむことはない、
勇敢な首領に戻るのだ!
威圧的な声が響いいた
岸の周辺に。

ヴォルガ、ヴォルガ、生みの母なるヴォルガよ!
ヴォルガ、ロシアの川よ!
おまえは贈り物を欲しくないか
ドン・コサックからの。

いさかいがないように
(我々)自由な者の間に、
ヴォルガ、ヴォルガ、生みの母なるヴォルガよ!
そら、美女を得よ!

絶大なる振る舞いを鼓舞して
彼は美しい令嬢を、
そして彼女を船べりから投げ込んだ
急流の波頭の中へ。

お前たち、何を憂い沈んでいるのか。
おい、フィルカよ、畜生め、踊るんだ!
歌え、歌え、吹っ飛ばせ、
彼女の魂を弔おうぜ!

川中の島々の影から
川の波頭の荒涼なところから
飾り立てて漕ぎ出てゆく
船首が突き出た船々。

https://www.youtube.com/watch?v=AEnSMa-lTzM