<独自>元自衛官がウクライナ義勇兵と接触 入隊交渉も見通し不明

西日本に住む30代の元自衛官の男性が、ロシアの軍事侵攻に抵抗するウクライナの領土防衛国際軍団(ILDU、義勇兵)に参加するため、ウクライナに入国したことが18日、分かった。男性はILDU側と接触し、入隊に向けた交渉を始めた。関係者によると、ILDUは軍隊経験と一定の英語能力を加入の条件としており、男性の今後の見通しは分かっていない。

男性は渡航前に産経新聞の取材に対し、「罪のない市民が殺されている。ひとごとじゃない」と話していた。

男性はドーハ経由で12日、ウクライナ隣国のポーランドに入国。国境を接する南東部のメディカから15日夜、ウクライナに入った。男性によると、その後、ILDUに接触し、入隊の意思を伝えたという。現在、ウクライナ西部に滞在しているという。

ウクライナのゼレンスキー大統領は2月末、外国人志願者で構成するILDUの編成を表明した。大統領に呼応し、在日ウクライナ大使館がツイッターで参加を呼びかけたところ、男性を含む日本人約70人の志願が判明。ただ日本政府は、ウクライナ全土に退避勧告が発令されているとして自制を求め、大使館も投稿を削除した。

男性は在日大使館経由での参加を断念する一方、ポーランドにあるウクライナ大使館と連絡を取りながら、自らの判断で渡航を決めた。

男性には4年間の陸上自衛隊での活動経験があり、4月上旬の産経新聞の取材には「武器も人員も提供できない日本が、仮にウクライナと同じ立場に置かれたとき、世界は日本を助けてくれない。自分の国を守るためにもウクライナへ行きたい」と説明。渡航に先立ち、テントや寝袋、トランシーバーといった備品を準備したという。

https://www.sankei.com/article/20220418-67BKFHKXUNMD3LSN3EECGTVDB4/