高架下の献花台で遺族「事業者は人命第一に考えて」…関越道バス事故10年

 2012年4月に群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡し、38人が重軽傷を負ったツアーバス事故は29日、発生から10年となった。発生時刻の午前4時40分頃、現場の高架下に設けられた献花台を遺族ら約30人が次々と訪れ、犠牲者の冥福(めいふく)を祈った。
 金沢市の男性(71)は事故で、東京ディズニーランド(千葉県浦安市)に向かうためバスに乗っていた次女(当時29歳)を亡くした。新型コロナウイルスの感染拡大で過去2年、現場での慰霊を控えており、「久しぶりでごめんな。やっと来られたよ」と心の中で声をかけたという。男性は3年ぶりの訪問に、「命日にここに来ることに意味がある。自分の手で花を供えることができ、やっと気持ちが晴れた」と語った。
 富山県高岡市の女性(33)は、母親(当時49歳)を失い、自身も重傷を負った。左まぶたや手足に傷痕が残り、今も指を動かすと違和感があるといい、「誰にも同じ経験をしてほしくない」と話す。女性は、北海道・知床半島沖の観光船事故について、「命を運ぶ事業者は人命を第一に考えてほしい」と訴えた。

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