麻薬密売人らを多数殺害する「麻薬撲滅戦争」などで物議をかもしてきたドゥテルテ大統領の後任を決めるフィリピン大統領選が9日、投開票を迎える。
世論調査では、かつて長期独裁政権を敷いた故・マルコス元大統領(1989年死去)の長男、フェルディナンド・マルコス元上院議員(64)がトップを走っており、
マルコス一族から2人目の大統領が誕生するか、注目が集まっている。

 「BBM! BBM!」――。
選挙活動最終日の7日、マルコス氏が首都マニラで行ったイベント会場には多数の支援者らが集結。
マルコス氏が登場すると、会場の雰囲気は最高潮に達し、マルコス氏の愛称である「ボンボン」と「マルコス」の頭文字で作った略称「BBM」コールで盛り上がった。
マルコス氏はイベントの最後に演説し「国民の団結」を呼びかけた。

 支援者らは、イベント開始の3時間以上前からバスなどで駆けつけた。
若者の姿が目立ち、人気歌手らのパフォーマンスや花火の打ち上げなどで盛り上がる様子は、お祭りのような雰囲気だった。

 地域の人たちが貸し切ったバスで会場に来たという高校生、フランシーヌ・ムシペさん(18)は、今回が初の投票となる。
「麻薬の問題や、道路の汚さはこの国の恥だと思います。こういった問題に取り組んできたドゥテルテ大統領がやってきたことを続けると聞いたので、
マルコス氏に投票します」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20220508/k00/00m/030/038000c