外国人観光客とは 安倍政権で成長戦略の柱に

日本を訪れる外国人観光客は年々増加傾向にあった。日本政府観光局(JNTO)によると2012年の835万人から19年に過去最高の3188万人となった。
国・地域別にみると中国が959万人と最も多く、韓国、台湾、香港が続いた。観光庁が試算した旅行消費額は4兆8135億円と7年で4.4倍に膨らんだ。

12年に発足した第2次安倍晋三政権のもとでの円安基調やタイやインドネシア、中国などへの査証(ビザ)の発給要件の緩和が背景にあった。
空港の発着枠や免税店も拡充した。日本政府は成長戦略の柱と位置づけ、16年に訪日客数を20年に4000万人、30年に6000万人にする目標を掲げた。

20年以降は新型コロナウイルスの感染拡大で状況が変わった。政府は水際対策も強化し、新規のビザ発給に制限をかけた。
観光目的で日本を訪れることは難しくなり、21年の外国人観光客は24万人まで急減した。22年3月からは受け入れ先の企業や団体の管理を条件にビジネス目的の滞在者や留学生らが新規入国することを認めている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051NK0V00C22A5000000/