「電力危機」列島…この夏・冬も電力不足の危機が来る

今年3月、政府は初めて「電力ひっ迫警報」を発令し、首都圏ではあわや大規模停電の発生かと人々を驚かせた。しかし、この夏・冬も再び電力ひっ迫の恐れがあるという。
今なぜ、日本列島は「電力危機」ともいえる事態に陥っているのか。

■計画停電・電力使用制限令まで視野に…
「国は計画停電まで折り込み始めている。恐ろしいことを考え始めたなと。それくらい今、電力供給が厳しい状態だ」
そう話すのは、大手電力会社の関係者だ。国はついに計画停電のほか、伝家の宝刀とされる電力使用制限令まで検討を始めたというのだ。

電力使用制限令とは、電力危機を避けるため、経済産業大臣が大規模工場や商業施設、オフィスビルなどの電気の使用制限を命令できる強制措置で、違反者には罰金も科せられる。
過去にはオイルショック、東日本大震災の2度しか発令されていない。それを最終手段とはいえ日常的な対策として政府は検討し始めているというのだ。

きっかけは今年3月22日、東京電力管内で発令された「電力ひっぱく警報」だ。前日の夜になって急遽出された警報に「いったい何が起きたのか?」と多くの人が思ったのではないだろうか。
あの日の電力ひっ迫の原因は主に2つ。前の週に福島県沖で起きた地震の影響で、計6基の火力発電所が停止していたこと。

もう一つは季節外れの寒波により気温が急激に低下し、電気の使用量が真冬並みに増えたことだ。
地震と寒波、2つが運悪く同時期に発生したことによる電力不足だったが、警報発令と節電要請、そして電力供給の最後の切り札とされる「揚水発電」のフル活用により、なんとか大停電は回避された。

しかし、実はこの夏・冬も「電力危機」は続く可能性があるという。
危機感を抱いた国は、計画停電や電力使用制限令といった強権も視野に入れ始めたのだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/810284fdcca1258020451f6f75e7e56023b253c1