将棋の里見香奈女流王座(30)=女流4冠=と古森悠太五段(26)の第48期棋王戦予選決勝が27日午前10時、大阪市福島区の関西将棋会館で始まった。里見が勝てば女性初のタイトル戦本戦進出となるとともに、直近の公式戦の成績が10勝4敗となり、女性で初めてプロ編入試験の受験資格を獲得する。

振り駒の結果、里見が先手番となり、相振り飛車の戦いになった。持ち時間は各4時間で、夜までに決着する見込み。里見は過去に1度、2019年8月に古森と対戦し、相振り飛車の将棋で敗れた。

里見は15年10月開幕の奨励会三段リーグから5期、同リーグで戦ってプロ棋士(四段)を目指した。しかし最高成績は8勝10敗で、年齢制限のため18年3月に退会した。

プロ編入試験は新人のプロ棋士5人と対戦し、3勝すればフリークラスの四段になれる制度で、直近の公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上で受験資格を獲得できる。里見は19年9月に9勝4敗まで成績を伸ばしたことがあるが、その後連敗して資格獲得はならなかった。かつてプロ棋士の道を閉ざされた里見が受験資格を得た場合、編入試験にチャレンジするかどうかも注目される。なお、古森戦に敗れても、次の公式戦を勝てば10勝5敗(勝率6割6分6厘)となり、受験資格を獲得できる。

これまでアマチュアからプロに編入した棋士は、花村元司九段(故人)、瀬川晶司六段(52)、今泉健司五段(48)、折田翔吾四段(32)の4人で、現行制度では今泉、折田の2人。

将棋界の女流棋士はプロ棋士とは別制度で、長い歴史の中でプロ棋士になった女性はいない。里見の公式戦(男性相手のプロ棋戦)の通算成績は40勝50敗。【新土居仁昌】

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