
災害以外の家財補償、自己負担を大幅引き上げへ…損保大手が10月から最低5万円に
損害保険大手が、家具や家電などの損害を補償する火災保険の家財補償について、今年10月の契約分から、契約者の自己負担額の一部を大幅に引き上げることが18日、わかった。火災保険は大規模な自然災害の増加などにより、各社とも収支が悪化している。引き上げで改善したい考えだが、補償範囲が狭まり、契約者の負担は増える。
現在、東京海上日動火災保険や損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険は、契約内容によって自己負担の最低額を0~1万円の範囲で設定。大手間でもばらつきがあった。
4社は10月契約分から、それぞれ最低5万円に引き上げる。被害額が自己負担額を下回る場合は補償対象にならない。契約者にとっては、受け取る保険金が減ったり、保険金の請求ができなくなったりするケースが増えることになる。
ただ、引き上げ対象は、誤って家具やテレビを倒す、給水管の破裂で家具が水浸しになる――など、日常生活で生じた不測の損害とする。火災や台風などの災害による被害は含まれない。
火災保険では、家屋の被害に加えて、家具や家電などの損害もカバーしたい場合は、家財補償を付けて契約する必要がある。損保各社は、身近に起きる家具などの損害をカバーすることで、保険加入の動機付けにしてきた。
しかし近年は、数万円の請求が増えている。コロナ禍で在宅勤務が広がったことなどが影響しているとみられる。また、家財の高性能化で修繕費も上昇し、販売促進の効果以上に、負担が増していた。
火災保険は、大規模な自然災害の増加で保険金の支払いが増え、収支が悪化していた。家財を巡っては少額の請求が増えたことで、支払い時の事務作業の負担も増しており、経営課題となっていた。
損保各社は10月に火災保険料の値上げを予定している。今回の自己負担額の引き上げなど、補償内容の一部も見直すことで、保険金の支払いを抑えたい考えだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2013fbe5a2c7916ced8d2c6ecc25368219b0b36c