【ロンドン=加藤美喜】ジョンソン英首相の辞任表明を受けた後継の与党保守党党首選に、ジャビド前保健相とザハウィ財務相、シャップス運輸相、ハント元外相が9日、出馬表明した。10日にはモーダント通商政策担当国務相が名乗りを上げ、立候補は計9人になった。
トラス外相も近く出馬表明するとみられる。現時点で突出した候補者はおらず、混戦の様相だ。

保守党は11日に党首選日程を決める。秋までの留任を目指すジョンソン氏に対し早期辞任の圧力が高まっており、選出手続きを簡略化する可能性がある。
ジャビド氏は5日、ジョンソン氏の政権運営に抗議して、スナク前財務相と同時に辞任。ジョンソン氏退陣の流れを作った。ザハウィ氏はイラク出身で、当時のフセイン政権下で家族と英国に逃れた。スナク氏辞任後に教育相から財務相に就任。
新型コロナウイルス下ではワクチン担当相を務めた。世論調査ユーガブの共同創業者でもある。ジャビド氏とザハウィ氏はいずれも減税を主張し、減税反対のスナク氏に対抗する。
シャップス氏はジョンソン氏に忠実とされ、相次いだ閣僚辞任の中で内閣にとどまったが、6日には辞任勧告の輪に加わったとされる。貧困層への減税を訴えている。ハント氏は日本通で、前回党首選で最後までジョンソン氏と争った。

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