10日に密漁で摘発された2人がメンバーとなっていた非公開のフェイスブックグループで、米軍関係者らが地元の漁師らのパトロール地点を共有していることが分かった。密漁を指南するような投稿もある。米海兵隊員や米軍属とみられるアカウントが多く、登録者数は12日時点で1600人を超えていた。(北部報道部・西倉悟朗)

 非公開グループは「Spearfishing Okinawa」。「Spearfishing」はシュノーケリングなどで水中銃や銛(もり)を使い魚類を捕らえる行為で、グループは2015年に作成されたとみられる。

 国頭村安田や名護市天仁屋、本部町瀬底の海岸は「海保や地元民が密漁を頻繁に監視している」、恩納村のホテル「ルネッサンスリゾートオキナワ」付近は「以前に逮捕者が出た場所」などとして地図に落とし込まれている。県内全域の「密漁がしづらい」海岸をまとめている。

 地図の投稿には「地元の漁協がパトロールをしている日もあり、海岸から海をずっと眺めている人がいれば要注意だ」「以前に水中銃を持っているところを海上保安官に捕まり、それ以来銃は使っていない。彼らはこのページもチェックしているはずだ」などと発覚を警戒するコメントも残されている。

 ページの管理者が、密漁の証拠を残さないよう「水中銃が写った写真の掲載を控えてほしい」と呼びかける投稿もある。

 またグループ内では水中銃を使って捕った魚の写真が投稿されるほか、水中銃の売買も行われており「スピアフィッシングを始めたいので、水中銃を売ってほしい」「ステンレス製のシャフトに35メートル巻きのリール…。興味があれば個別に連絡を」といったやりとりが個人アカウント同士で行われている。

 本紙は米軍に、このフェイスブックページや米軍関係者による密漁が横行している実体を把握しているか、密漁を含む日本での禁止行為を周知しているかを尋ねたが回答はなく、10日に米軍関係者が摘発された件については「海上保安庁の捜査に協力する」とした。

 沖縄防衛局は「沖縄に配属された隊員らに対する日本の法律などに関する教育は、米側で行っているものと承知している」と説明した。

「地元民が頻繁に監視」「要注意だ」米軍関係者ら、密漁をフェイスブックで指南 非公開グループに1600人
2022年7月17日 08:43
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/992913