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窯元にやってきた“野良猫”をヒントに制作 「ねこ風鈴」がヒットで猫の手も借りたい忙しさ

青森県内の優れたものや取り組みに迫るキラリ逸品。
梅雨明けでいよいよ夏本番、暑さが本格化するこれからの季節に涼しさと癒やしを感じさせてくれそうなかわいらしいネコの風鈴が、津軽金山焼に誕生しました。

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軽やかな音色を響かせるネコの形をした風鈴。制作したのは、五所川原市にある窯元・津軽金山焼(つがるかなやまやき)です。

皿やコップなどの実用的なものからランプや置物などのインテリア用品まで幅広い作品を作っています。中でも、3年前に登場した「猫シリーズ」は、若い世代や女性といったこれまでとは異なる新しい客層へとファンを広げました。

このシリーズに携わってきた津軽金山焼の石岡恵(いしおか・めぐみ)さんです。

※津軽金山焼 石岡恵さん
「津軽金山焼には猫好きが多いというのもありますね。金山焼って野良猫がいるんですよ。2年位前に野良猫が赤ちゃんを産んで、スタッフの中で何人か、野良猫の子どもを連れ帰ったりしているので。それで猫シリーズを作るようになった」

なんと作品のヒントになったのは…窯元にやってきた野良猫!
※津軽金山焼 石岡恵さん
「風鈴も猫シリーズがあったら、もしかしたら“かわいい”がみんなにウケるかもと思った」

2022年6月、5種類あった金山焼の風鈴に人気シリーズの新作として“猫”が仲間入りしました。風鈴の本体となる外見(そとみ)と呼ばれる部分は、ろくろを使って一つ一つ成形しています。材料は工房の近くにあるため池で採取したきめ細かい粘土です。

※津軽金山焼 ザニーン・千紗さん
「ふっくらかわいく見えるように気を付けてひきました」

かわいらしい顔のデザインは石岡さんが担当しています。

※津軽金山焼 石岡恵さん
「かわいくできますように!って『かわいい』は人それぞれだと思うので、みんなが手に取った時に同じく『かわいい』って思ってくれれば…」

取材したアナウンサーも作ってみました!
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池田麻美アナウンサー
「鼻の位置、高さ、難しいですね。(目・耳・ひげ付け・しっぽ)『かわいい』を作るって難しいですね…ファンデーションを塗るように…毎朝やっております…この1個を作るだけで魂が抜ける…」

1週間ほど乾燥させたら、いよいよ窯へ。1350℃の高温でじっくりと焼き上げて固める金山焼の特徴でもある「焼き締め」という手法が深みのある独特な風合いと音の違いを生み出します。

池田麻美アナウンサー
「同じネコ風鈴でも、このように…音色にも個性があるんです」

※津軽金山焼 石岡恵さん
「形や焼きでも音色が違ってきますね。キュッと焼き締まると高い音になったり」

同じ窯で焼いても窯の中の位置や燃料となる薪の種類、そのときの天候によって作品は多様な表情を見せ、同じものは一つもありません。ネコ風鈴は、5日間かけて焼き上げ、その後6日間窯の中でゆっくりと冷まします。

※津軽金山焼 ザニーン・クラウディオさん
「ネコ風鈴、かわいいです!」

窯出ししたあと、紙やすりで丁寧に磨き外見(そとみ)に触れて音を奏でる舌(ぜつ)と風を受けて揺れる短冊を取りつけてネコ風鈴の完成。
予想を上回る人気ぶりで発売後すぐに完売して追加制作が決まり、まさに猫の手を借りたいほどの忙しさです。

※津軽金山焼 石岡恵さん
「猫に癒やされながら、音色に癒やされながら、今年の暑い夏を乗り越えてほしい」

工房に現れた野良猫の存在と作り手の思いから生まれた津軽金山焼のねこ風鈴。涼やかな音色と愛らしい表情で夏の風情と癒やしを感じられる逸品です。

これまで予約販売のみでしたが、7月30日に窯出しされたものは、店頭にも並ぶ予定。
五所川原市の津軽金山焼、津軽金山焼青森店、オンラインショップでの取扱いです。