砂漠と油田とラクダ。女性は真っ黒のヒジャブとニカブで目元以外を隠して外出。お酒はご法度で外国人が泊まるホテルでも提供されない。
あるいは王族が外遊する際の高級リムジンの車列――サウジアラビアについては、どこかステレオタイプなイメージしか浮かんでこない人も多いのではないだろうか。

 日本から見るサウジアラビアは漠然としたイメージでしかないが、取材に訪れてみると驚くほどの親日国ぶりに戸惑う。
“親日”という言葉ではうまく表現できないほど、滞在中、常にサウジ国民から日本への好意を感じ続ける。そんな国だったのだ。

 訪れたのはメッカ巡礼へと向かう際に立ち寄られることが多いサウジ第二の都市ジェッダ。
イスラム教徒向けに発行される巡礼ビザで、最低でも年間1000万人以上を越える巡礼客の多くが立ち寄る街だが、アジア人はほとんど見掛けない。

 それだけに目立つのだろう。街中のスーパーマーケットで商品を物色し、イベント会場を歩いているだけで声をかけられ、レストランから出ようとすると別のグループ客から記念写真をねだられる。最初はからかわれているのではないか、と戸惑うほどだった。

 しかも、声をかけてくる人たちはみんな目をキラキラさせ、笑顔を浮かべながら明るく「日本の方ですか?」と尋ねてくる。そんな声にうなずくと、次に出てくるのは日本の文化が大好きで、「いつか日本を訪問したい」と話し始める。中には日本語を使って、どれだけ日本が好きなのか想いを伝える人もいたほどだ。

 彼らが口をそろえるのは、日本の習慣や日本人の人柄、(動画などで見る)街の雰囲気や日常生活の様子、それに日本コンテンツや古くからの日本文化も大好きということ。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2207/24/news020.html