「ドミノ・ピザ」チェーンが本場イタリアで“ドミノ倒し”にされた理由

イタリアといえば、ピザが国の宝と国際的に認められている。その市民が、アメリカ人が
度を超えたまねをして大量生産した多国籍チェーンのピザなどに夢中にはならないだろうと
誰か思わなかったのか?

誰かがそう思うべきだったのかもしれない。米ピザ宅配チェーン最大手「ドミノ・ピザ」が、
イタリアのフランチャイズ全店舗を閉じたと米経済メディア「ブルームバーグ」が報じた。

同社がイタリアで特製のチーズバーガーやハワイアンピザ、チキン&ベーコンピザを
提供することはもうなくなる。

・イタリア人はパイナップルピザが苦手?
ドミノ閉店の話題がアメリカのSNSで拡散されると、予想どおりというべきか、同チェーンの
そもそもの野心が揶揄されることとなった(ドミノ・ピザはイタリアで800店舗オープンを
目論んでいたとされる)。

ピザが崇められ、伝統的なナポリ式のピザを守る団体まで存在し、生地を空中でクルクル回す
その職人技がユネスコの無形文化遺産に登録されたほどの地で何を考えているのかと──。

たとえば、以下のようなツイートだ。
「おいおい、イタリアでドミノ・ピザを頼むやつなんて酔っ払ったアメリカ人観光客以外で誰かほかに想像できる?」
「イタリアでドミノ・ピザを開こうとするのは、北極で雪を売ろうとするようなものだ」

地元店のピザのほうがドミノ・ピザより安いことが多いと指摘する声もあった。
嫌みな発言は大西洋の向こう側でも飛び交った。イタリアの日刊紙「イル・メッサジェーロ」は8月8日、
トップ記事の見出しに「イタリア人はパイナップルピザが苦手──ドミノ・ピザが国内の
全ピッツェリアを閉店」と書いた。

タリア人の多数は同チェーンの終焉について無頓着で、次のようなツイートもあった。
「ドミノ・ピザがイタリアで破産だって。店をオープンしていたことすら知らなかった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe6fad876a9b43c1a838b07583bbd2c626fe8c97