【深層心理の謎】ニュース中毒になると健康が損なわれてしまうのはなぜ?

 米・テキサス工科大学の研究チームが2022年8月に「Health Communication」で
発表した研究では、常にニュースをチェックしていたいと考えて実際にそのように
行動している人は、ストレスや不安といったメンタル面での不調に加えて、
身体的不健康にも悩まされていることを報告している。

 研究チームは成人のアメリカ人を対象としたオンライン調査のデータを参照し、
どのくらいニュースをチェックしたくなる衝動を抱えているかに加え、ストレスや
不安を感じる頻度や、疲労、肉体的苦痛、集中力の低下、胃腸の問題などの身体的な
症状を経験した頻度についての質問への回答データを収集した。

 データを分析した結果、調査対象者の16.5%が深刻な「ニュース中毒」であることが
明らかになったのだ。そのような人は頻繁にニュース記事に没頭し、ニュース記事が
起床時の思考を支配し、家族や友人と共有する時間を台無しにし、学業や仕事に
集中することを困難にし、落ち着きのなさと不眠の原因となっていたのである。
そして精神的な不調に加えて身体面でも健康を害していたのだ。

 アメリカ人の16.5%がニュース中毒であったというこのショッキングな結果を受けて
研究チームは、適切で効果的なメディアリテラシーの向上キャンペーンを通じて、
ニュース中毒の危険性についての意識を高めると共に、介入戦略の開発に繋げることを
提唱している。ニュース中毒は今や健康問題にまで発展しているのだ。

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