要衝の「クリミア大橋」爆発、プーチン氏に打撃…ウクライナ側「違法なものはすべて破壊」
2022/10/08 21:30

【キーウ=川上大介】ロシア連邦捜査委員会は、
ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島と露本土を結ぶ
「クリミア大橋」(全長約19キロ・メートル)で8日朝、爆発が発生し、捜査を開始したと発表した。

8日、火の手と黒煙が上がるクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋(ロイター)

大橋は、露軍のウクライナ侵略で重要な補給路になっており、
ロシア軍がより劣勢となる可能性がある。

捜査委は、走行中のトラックが爆発し、並行する鉄道橋を走っていた列車の燃料に引火したと説明し、3人が死亡したとしている。
タス通信などによると橋の一部が崩落した。露大統領報道官は8日、
「復旧時期は見通せない」と述べた。プーチン大統領は8日、原因を究明する委員会の設置を急きょ指示した。

 ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は8日、
「クリミア。橋は始まりだ。違法なものはすべて破壊されなければならない」とSNSに投稿した。
有力メディア「ウクライナ・プラウダ」は、ウクライナの情報機関が関与した可能性を指摘した。

クリミア大橋は18年に自動車用の橋、19年には鉄道橋が開通し、プーチン氏が渡り初めをした。
ロシアのクリミア支配を象徴する存在でプーチン氏の打撃は大きい。

ロシアのメドベージェフ前大統領は7月、ウクライナ軍が大橋を攻撃すれば「ウクライナは『終末の日』を迎える」と
核使用をほのめかして警告していた。
今後、情勢が緊迫していく可能性も否定できない。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20221008-OYT1T50254/