韓国の半導体メモリー大手・SKハイニックスが26日発表した第3・四半期決算は60%の減益となった。半導体需要がこれまでにないほど悪化しており、世界的に景気後退(リセッション)懸念が高まっているとし、設備投資を削減する方針を示した。

第3・四半期の営業利益は60%減の1兆6600億ウォン(11億6000万ドル)だった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想(1兆8700億ウォン)を下回った。

売上高は前年同期比7%減の10兆9800億ウォン。

半導体各社は今年初めまで新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の需要回復の恩恵を受けてきた。ただ、インフレ高進や金利上昇、景気見通しの悪化で、ここ数カ月需要は急激に落ち込んでいる。

同社のマーケティング部門幹部はアナリストに対して「来年下期にはある程度安定する見通しだが、需要低迷が長引く可能性がある」と説明した。

同社は声明で、ノートパソコンやスマートフォンの出荷減少に言及し、当面は供給が需要を上回るとの見方を示した。

電子機器やサーバーに使うDRAMの価格は前期比で約20%下落。データストレージに使用するNAND型フラッシュメモリーの価格は20%余り下落した。

2023年の設備投資は前年比50%以上縮小する計画を明らかにした。

22年の設備投資は、予想レンジ(10兆─20兆ウォン)の上限近くになると見込んでいる。

大信証券のアナリストは設備投資の削減幅が予想以上だったと指摘。「投資を削減しても生産に影響が出るまでには半年ほどかかる。23年第3・四半期までに市況が好転するとは予想していない」と語った。

サーバー向け半導体需要は低迷しているが、人工知能(AI)やビックデータ、メタバースなど急速に成長する分野に対応するためのデータセンターの投資は続いており、長期的に需要は盛り返すと見込んでいる。

半導体市場で競合するサムスン電子の第3・四半期業績も不調が鮮明となり、米国の同業マイクロン・テクノロジーはパソコンとスマートフォンの販売急減について警告している。

https://jp.reuters.com/article/sk-hynix-results-idJPKBN2RK26L