https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/802/

世界に先駆けてリアルな「3Dデジタル生物標本」を1400点以上公開
メタバースやバーチャルリアリティに誰でも利用可

生物標本の維持管理には多大なコストが必要で、かつ標本の劣化は免れない
世界に先駆けてデジタル化された生物標本の3Dモデルを1400点以上オンライン公開
メタバースやバーチャルリアリティへの応用・利用が期待される
 生物標本は生物を研究する上で重要な役割を担っており、博物館等で保管されています。しかしその管理は煩雑で、くわえて標本の劣化や退色は免れられません。また、多くの重要標本は厳重に管理されますが、それが故にアクセスが困難で、結局あまり利用されないといったジレンマも抱えています。
 本研究ではフォトグラメトリ(被写体を様々な角度から複数撮影することで3Dモデルを構築する手法)により、生鮮時のカラフルな状態での生物標本を3Dモデル化し、オンラインで公開しました。(公開ページはこちら)
 九州大学持続可能な社会のための決断科学センターの鹿野雄一特任准教授は世界に先駆けて、独自かつシンプルなフォトグラメトリの手法を開発し、「バイオフォトグラメトリ」と銘打って、水生生物を中心に1400点700種以上の生物標本の3Dモデルをオンライン公開しました。公開された3DモデルのほとんどはCC BY 4.0ライセンスの下、誰でも自由にダウンロード・利用できます。
 今回公開されたような生物3Dモデルは生物学のみならず、様々な分野に応用できると考えられます。例えば生物図鑑は現在2次元画像ですが、将来的には、3Dモデルによるデジタル図鑑へと変容していくと考えられます。また、生物多様性・環境教育などに関するメタバースやバーチャルリアリティにもこれら3Dモデルが利用できるでしょう。
 本研究の詳細は、ブルガリアのPensoft Publishersが出版する国際誌「Research Ideas and Outcomes」に2022年8月8日(月)付けで掲載されました。