「幸せになる方法を教える」との目的で会合を繰り返すグループを抜けようとした女性に暴行を加えたとして、兵庫県警は1日、無職の下川絹代(71)=たつの市龍野町日山=と息子のカイロプラクター、和哉(45)=姫路市勝原区大谷=の両容疑者ら男女5人を傷害容疑で逮捕した。容疑者親子は「トリニティ」と呼ばれる会を主宰し、日常的に会合を開いていた。

 他に逮捕されたのは、いずれもたつの市の無職、前田有爲子(ゆいこ)(67)▽長男の空調整備業、拓也(47)▽次男の会社員、啓介(46)――の3容疑者。3人はグループの熱心な参加者だった。

 逮捕容疑は2017年9月1日夜、和哉容疑者の自宅で、脱会を申し出た女性(当時38歳)の顔面や頭を殴るなど集団で暴行を加え、打撲などの軽傷を負わせたとしている。県警は認否を明らかにしていない。

 捜査1課によると、女性は事件後、県警に相談したが報復を恐れて被害届を出さなかった。22年5月に別の男性から相談を受け、改めて捜査していた。

 会合は週5日ほどのペースで和哉容疑者の自宅で開催。「気を送り疾患を治す」として患部に手をかざしたり、容姿や態度が悪いと見なした参加者を「浄化する」として平手打ちしたりしていたという。

 下川容疑者親子は参加者に貴金属類や石を売るなどして金銭を得ていたとみられ、県警はグループの実態解明を進める。

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