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ウサギがかわいいのは真理!「でも、それだけでは一緒に暮らせません」 飼育歴20年・南兎さんが漫画で訴えるワケ

来年2023年の干支はうさぎ。最近ではペットとして、うさぎは人気です。学校で飼育されていることなどもあり、「大人しい」「鳴かない」「飼いやすい」といったイメージが強いです。
しかし、実は、うさぎの飼育は簡単ではなく、今年9月、滋賀県甲賀市の20代男女が、飼っていたうさぎを虫かごに入れて捨てたとして、動物愛護保護法違反(遺棄)の疑いで書類送検されたというニュースがありました。
朝日新聞デジタル(9月9日付)によると、男女は「世話が大変で、(ウサギが)言うことを聞かなかった」と話していたそうです。
うさぎを飼っている人たちは、SNSで「どうか、安易に飼わないで」と呼びかけています。その1人が、20年以上のうさぎ飼育歴がある南兎さんです。
うさぎと暮らすとどのようなことが起きるのか。南兎さんは、丁寧に説明した漫画をツイッターに投稿し、3万リツイート以上されるなど、注目を集めました
南兎さんになぜ漫画を描いたのか。そして、うさぎの飼育について、うさぎの飼育歴2年の記者が聞きました。
●「うさぎは飼いやすいというのはデマです」
まず、南兎さんが今年9月にツイッターに投稿した漫画の冒頭を紹介します。
「うさぎは飼いやすい」というのはデマだとはっきり指摘して、具体的に、飼うとどのようなことが起きるのか、説明してくれています。
●うさぎを飼う前に知ってほしいこと
なぜ南兎さんは漫画を描こうと思ったのでしょうか?
少し前に、「コロナ禍による巣ごもり需要で、ペットブームが起きている」という話が情報番組で紹介されているのを見ました。
また、夏ごろから、うさぎの多頭飼育崩壊や、虫かごに入れて遺棄といったニュースがたびたび報道されました。12年前に干支がうさぎだったときは、うさぎブームで「捨てうさぎが増えた」という内容の書き込みをどこかで見たこともあります。
来年はうさぎ年で、ペットうさぎ業界が盛り上がるのだろうなと少し楽しみにしていたところもあるのですが、それによって安易なお迎えブームが起こってしまうと、知識を持たない飼い主が「想像と違った」と、うさぎを手放してしまうようなことがさらに増えてしまうかもしれないと思いました。
うさぎはかわいいし、簡単にお迎えできてしまうけれど、一緒に暮らすには大変な面もたくさんあるのだということを少しでも知ってもらえたらいいなと思って漫画を描きました。
●「インターネットの情報は正しいと限らない、飼育書を読んで」
うさぎを飼おうと思ったとき、どこで正しい情報を得たらよいでしょうか?
飼育書を数冊買って読み込むことをおすすめします。
インターネットにはたくさん情報がありますが、すべてが正しいとは限りません。うさぎに適さない世話の仕方や、うさぎの体に悪い食べ物を与えている様子を動画サイトやSNSに平気でアップしている人も少なくありません。
初心者の方がインターネットの情報を参考にしすぎてしまうと、知らないうちに、うさぎを傷つけてしまうことがあるかもしれません。
飼育書の多くは獣医師や専門家の監修が入っていますし、大事なことがわかりやすく書かれていますので、飼育書がおすすめです。
●うさぎは繊細な動物、食欲がなくなると1、2日で命を落とすことも
うさぎは「寂しかったら死んでしまう」「学校では外で飼ってるから、外で飼育しても大丈夫」「おとなしい」などのイメージが強いですが、実際はどのような生きものなのでしょうか?
とても繊細な動物だと思います。温度変化やストレスに弱いうえ、骨がもろくて骨折しやすかったり、食欲がなくなると1〜2日で命を落としてしまったりします。
自宅でうさぎを飼っている人たちの多くは、飼育環境にとても気を遣っています。「寂しいと死ぬ」というのは迷信ですが、きちんと環境を整えてお世話してあげなければ、すぐに命を落としてしまう繊細な動物だという意味では、あながち間違いでもないのかもしれません。
人と同じように、一匹ずつそれぞれ個性があります。やんちゃな子がいれば、おとなしい子もいるし、気の強い子も弱い子も、人が大好きな子もいます。無表情に見えて、とても感情豊かで、人間とたくさんコミュニケーションを取ってくれます。
「餌と水を与えてあとは放置」というような育て方をされているのは悲しいなと、子どものころから思っています。