https://jp.reuters.com/article/idJPjiji2012051400320

米国でガラガラヘビの1種が絶滅の恐れも

北米で最大の毒蛇ヒガシダイヤガラガラヘビが絶滅危惧種のリストに載るかもしれない。米内務省魚類野生生物局(FWS)は現在、このヘビを同リストに掲載して、その捕獲、殺害、売買を制限すべきかどうか検討している。

 アラバマ州FWSの副フィールド監督官ダン・エバーソンさんは「この美しい動物がわれわれとともに地球上に残れるように最善を尽くす」と話した。FWSは9日、ヒガシダイヤガラガラヘビの生息数の減少についてさらに調査することを承認した。この調査では、同ヘビを絶滅危惧種に指定するかどうかを決めるための科学的研究とパブリックコメントの聴取に1年かかる見込みだ。

 環境保護団体は昨年、同ヘビがルイジアナ州から消え、ノースカロライナ州で消える恐れがあり、さらにサウスカロライナ、ミシシッピ、アラバマの3州では見つけるのが難しくなっているとして、同リストへの掲載を求めた。エバーソンさんによれば、同ヘビは、ロングリーフパイン(大王松)の森林に好んで生息するが、かつてバージニア州からテキサス州にまで3600万ヘクタールにわたって広がっていたこの森林は、現在では120万ヘクタールにまで縮小してしまった。

 環境保護団体はまた、アラバマ州の町オップで開かれる「ガラガラヘビ・ロデオ」も個体数の減少の一因だとしている。スネークハンターであると同時にオップのシティープランナーも務めるドン・チャイルダーさんは「ヘビ愛好者は、われわれがガラガラヘビの世界をだめにし、(その餌である)ネズミに世界を作らせていると訴えている」と話した。チャイルダーさんは、毎回3万人が集まるこのロデオでは、わなで捕まえた50〜60匹のヘビを競争させたりしてストレスを与えるものの、生きたままで自然に返していると強調した。

 チャイルダーさんによると、ロングリーフパインの森の外れにあるオップでは多くのヒガシダイヤガラガラヘビがおり、先週も町役場の職員が自宅の花壇で1匹殺したばかりだという。

 米国家庭医の団体のサイトによれば、米国でヘビにかまれる事故の99%はガラガラヘビによるもので、年間8000件の事故のうち死亡が報告されているのは12件程度にすぎないという。同ヘビが絶滅危惧種に指定されても、身を守るためにヘビを殺すことは認められる。エバーソンさんは「リストに載っても、人々は子どもやペット、財産を守ることが許される」と述べた。