京都府警京丹後署で昨年6月、留置されていた60代女性が死亡した問題で、京都府警は17日、死因は熱中症と推定され、「死亡を予見することは極めて困難だった」とする捜査結果を発表した。府警は同日、滝波利博署長ら4人について本部長による口頭注意を行い、業務上過失致死容疑で書類送検した。起訴を求めない意見を付けたとみられる。

 府警によると、女性は昨年5月18日に窃盗容疑で逮捕され、勾留中だった。6月23日に署全体のエアコンが故障し、翌日から留置場に移動式エアコン2台を設置。女性が金網をたたくなどしたため27日夜から1人用の保護室に移した。27日夕~29日は食事の摂取を拒み、睡眠や水分もほとんど取らなかった。「暑い」と訴え、持病もあったため、同署は30日午前に医師の診察を予定していたという。

 同日午前2時前に横になった状態で肩が震えているのを看守が確認したが、起床時刻の午前7時すぎに意識がない状態で見つかり、救急隊員が死亡を確認した。司法解剖の結果、死因は熱中症と推定され、死亡推定時刻は30日午前6時以降とみられる。府警が同日夜-翌朝に行った検証で、保護室の温度は28~30・3度だったという。

 府警は、女性の死亡を回避するために適切な措置が取られていたかや、署員らの過失の有無などを調べたが、死亡の予見は極めて困難だったとして捜査を終結。業務上過失致死容疑で署長や警務課長、看守ら4人を書類送検した。起訴を求めない「しかるべき処分」の意見を付けたとみられる。

 普光江邦留置管理課長は「心からお悔やみ申し上げる。命が失われた結果を重く受け止め、緊張感を持って業務にあたる」とのコメントを発表した。

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