昌良さんはスグに病院へ搬送されましたが、3時間後の午後9時半ごろに死亡が確認されました。調べに対し菅谷容疑者は『私が殴ったことに間違いありません。息子を殺そうと思った』と、犯行を認めています

菅谷容疑者の妻は、事件後の聴取で「手のかかる子で恐かった」と供述。警察は家庭内でなんらかのトラブルがあったとみて捜査を進めている。

事件の背景について解説するのは、元神奈川県警の刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏だ。

「前提として、50歳で独立せず実家にいる息子へ、父親が抱いていた不満があると思われます。捜査が始まったばかりで確たることは言えませんが、事件にいたった可能性は2つあるでしょう。

1つは金銭問題です。父親は無職ということで年金暮らしだったと考えられますが、同居する息子がカネを無心するケースは多くあります。食費だけでなくゲームなどの遊びの費用まで求められ、怒りが爆発したのかもしれません。2つ目が暴力です。数年前には、農林水産省のトップである70代の元事務次官が長男(当時44)を刺殺するという事件がありました」

小川氏が指摘する事件は、19年6月に起きた。元事務次官は、実家に引きこもる長男の日常的なDVに悩まされていたとか。裁判での元事務次官の証言によると、事件の数日前に「ゴミを片づけなきゃ」と注意すると長男が逆上。殴る蹴る髪の毛をワシ掴みにするなどの暴力を受け、精神的に追い込まれた元事務次官が犯行にいたったとされる。小川氏が続ける。

「背景には、家族間の甘えがあります。当初は独立せず実家にいる息子も『申し訳ない』という気持ちがあったでしょうが、徐々に慣れて当たり前になってしまう。金銭など親への要求も、どんどんエスカレートしていきます。我慢しきれなくなったら、もう手遅れかもしれません。お互い感情的になり、殺害という最悪の事態にいたるケースもあるんです」

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