成田悠輔エール大助教の「高齢者の集団自決」発言、「米国最高の教授」が欠けている視点を指摘
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は2年後の卒業までマスクの義務化は解除されず、対面接触のチャンスがない状態が丸1年続く可能性が高いという予測を口にした。学生たちはひどく動揺した。無理もない。大学時代は人とのつながりを育むのに最適な時期なのに、大半を「ズーム大学」で過ごすことになると言われたのだから。

しかし私にとってショックだったのは、数人の学生が高齢者に殺意のこもった怒りをぶつけ、家から出ない年寄りを守るために人生を台無しにされたと暴言を吐いたことだった。

成田悠輔エール大学助教の「高齢者の集団自決」発言を知ったとき、この悪夢が私の頭をよぎった。成田は紛れもない秀才だ。博士号を取得したマサチューセッツ工科大学(MIT)には、経済学で最も優れた頭脳がそろっている。現在はMITに匹敵する名門エール大学の教員だ。

ただし、37歳で肩書はまだ助教。とびきり優秀な人材の多くは30代前半で教授になり、未来のノーベル経済学賞につながる重要な研究業績を既に残している。成田はまだこのレベルの仕事をしていないので、経済学者として歴史に名を残すチャンスはもうないと悟っているのかもしれない。

成田の発言には、政策の処方箋が欠けている。本人は高齢者の集団自決という表現は「抽象的な比喩」であり、高齢化社会の資源配分について必要な議論を促すと主張している。だが意地悪な皮肉屋なら、研究の代わりにSNSでの名声や注目を選んだのだろうと推測するかもしれない。