>>3 エスパニョールが中村の獲得を決めた第一の理由は、メディアの注目を浴びるためだ。
クラブは、「彼を通して年間700万ユーロの収入が得られる」と説明している。
彼らは来夏のアジアツアーを計画し、さらなる利益を得ようとも考えているのだ。
だがエスパニョールのファンが、中村に感じた失望を隠すことはできないだろう。
中村がバルセロナのプラット空港にやって来た際、7000人のファンが彼を出迎えた。
それはクラブの歴史の中でも、際立つ出来事だったと言っていい。
チームは上昇気流に乗ると思われたし、ヨーロッパの大会に舞い戻ることができるとも考えられた。
しかし、4カ月後に見えた景色はまったく逆だった。
チームは下位で争うことを強要され、太陽のいずる国から着た中村は、日ごとに輝きを失った。
「チームが機能していないから、彼が被害を受けている。
チームの状況が悪いため、全体を見ることができずに彼を助けることができない」。
そうグレイグは彼を擁護している。
だが、彼の言葉が正しいとは思えない。
中村はイバン・デ・ラ・ペーニャの代わりを務められると言われていたが、そうなる術を知らなかったのだ。
中村に出場機会が足りていなかったわけではない。
加入当初、マウリシオ・ポチェッティーノは彼をちゃんと先発出場させていたし、
序盤にチームがつまずいた時も忍耐力を持って起用し続けた。
チームを改善する策が、彼を先発出場から外すことだけになるまで…。
中村は、リーガでプレーすることを常に夢見てきた。
だが、その夢は悪夢へと変わってしまった。
エスパニョールのファンは、時間とともに彼が良くなると考えていたが、苦痛に慣れてしまっている状況だ。
中村とファンの間にある愛は壊れている。
そして、すべては両者が別れを選択しなければいけないということを指し示している。
エスパニョールが得るお金以外のすべてが…。
フランシスコ・オルティ/ スペイン