ニトリHD似鳥会長「アジア攻略で世界を制する」

ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長は、9日に開いた2023年3月期の決算会見で「アジアを制するものが世界を制する」と述べ、海外出店を加速する方針を示した。2024年3月期にタイやインドネシア、ベトナムなど新たに6カ国・地域に進出し、すでに67店舗を展開する中国では41店を追加出店し108店舗とする計画を明らかにした。主なやり取りは以下の通り。

――中国、東南アジアでの出店方針は。

「300~400店を出店しないと、知名度は上がらない。中国は北京などの大都市周辺に店を出し、3年後には中国だけで毎年100店舗を出店できるようにしたい」

「東南アジアは『ユニクロ』と同じように大きなビジネスになる。新型コロナウイルス禍でなかなか出店できなかったが、優秀な人材を送り込んで出店を加速したい」

――アジアの市場をどのように捉えていますか。

「世界はアジアを中心に回り、日本はそのおこぼれをいただくことになるだろう。たとえ、日本で利益が出なくても海外で十分(利益を)出せるように準備しないといけない。この5年間が勝負だと思っている。日本は国力が少なくなるから、投資も人材もアジアに振り向けるべきだ」

――今後の為替動向はどのような予測ですか。

「今期の想定為替レートは1ドル=130円としているが、23年夏以降には1ドル=120~125円台になるとみている。米国の景気が思ったより伸びていないと思う。事実、金融機関3行が破綻していて、これから米国で本格的な不景気が始まるだろう」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0936U0Z00C23A5000000/