バイデン米大統領は7日、米国が備蓄していた全ての化学兵器の廃棄が完了したと発表した。米国は化学兵器禁止条約(1997年発効)を批准しており、廃棄を進めてきた。バイデン氏は声明で「世界で化学兵器が備蓄されたり使用されたりするのを阻止するために引き続き立ち向かっていく」と強調した。

 条約はサリンなどあらゆる化学兵器の開発、生産、保有、使用を禁止。発効から10年以内の全廃を義務づけていた。AP通信によると、米国は冷戦終結までに3万トン以上の化学兵器を備蓄。これまで廃棄期限を繰り返し延期してきており、9月末までの全廃を計画していた。

 化学兵器はシリア内戦でアサド政権による使用が指摘されている。バイデン氏は声明で「化学兵器のない未来を切り開くための決意を新たにしなければならない」と表明し、ロシアとシリアにも条約の順守を呼びかけた。

https://mainichi.jp/articles/20230708/k00/00m/030/033000c