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住んでいる人の半分以上が65歳以上といういわゆる「限界集落」が上越市安塚区にあります。高齢化が進む中にあっても住民は集落の10年後を見据え前向きに取り組みを進めています。
上越市安塚区の伏野集落。住民は21人。高齢化率が85%を超える限界集落です。このままでは立ち行かなくなるという危機感から6月のある日、住民が集まりました。

■町内会長 和栗勝美さん
「親の代から受け継ぐ田んぼとか畑とか神社もそうだが、何を始末して何を残せばいいのか、集落をどういう形で残せばいいのか、現状では難しい」

10年後の伏野集落は何も手を打たないと70代の住民が4人になると想定されています。
このままいけば棚田でのコメ作りは維持できません。
山の中腹に広がる棚田は約60年前に地すべりが起きた斜面を切り開いて作られました。工事に参加した住民も多く「自分たちで土地を守る」意識があるそうです。

「昔から地すべり地帯なので昔は営林署、今は森林管理署の工事が入った。大半の集落の人が工事に参加したこともあって棚田の保全に関しての意識は高い」
約50haの棚田でコメを作る和栗武一さん、81歳。奥さんと2人で棚田を守り続けています。機械化とともに作付け面積を増やしてきましたが、変わらないのは「水」へのこだわりです。

■農家 和栗武一さん(81)
「水はホースで山の麓から引いている」

水源地は、田んぼから1km以上離れた山のふもと。斜面の至る所から水が湧き出していました。この湧き水を集めて田んぼに引いています。
清らかな水で育てたコメは、伏野集落のかけがえのない宝物です。しかし…

■農家 和栗武一さん(81)
「田植え機がダメになった。古くて修理がきかない。近所の人から譲り受けて30年くらい使っている。」

メーカーに問い合わせると、手押しの田植え機は40年前に製造されていました。故障してももう部品がありません。和栗さんは、修理業者に部品を作ってもらうなどしてどうにか使ってきましたがあと1、2年が限界といいます。

■農家 和栗武一さん(81)
「新しい機械は買えない。大型の300万円から400万円もする農業機械が3〜4台必要。そこまでやりたくない。コメが安くてダメだ。60kgで1万2千円ではどうもならない」

コメ作りの収入は年間で35万円ほど。経費を除けば赤字です。「棚田を守りたい」という気持ちだけで続けてきました。