https://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20230803_688441/?tpgnr=busi-econ
ここ最近の日本で大変驚かされるのは、リサイクルショップがどんどんと街の中心のほうに出てきていて、ショッピングモールの中にも、最低1つはリサイクルショップが入っていることです。

こういうリサイクルショップは欧州や北米にもあり、むしろこちらが本場です。

しかし、やはりここにも階級や経済格差がはっきりしていて、リサイクルショップがあるのは経済的に厳しい地域であることが少なくありません。そして、リサイクルショップでものを買うのは、趣味目的やコレクションのためではなく、節約をしたいからという人が大半です。

そうした地域以外に住む人たちはあまり中古品を買わなくなっています。以前は「eBay」というオークションサイトでメルカリのように個人間で取引をする人が多かったのですが、最近は中古品の出品はかなり減っています。

リサイクルショップでは買う人だけではなく、売る人もお金がない人たちなので、品物の状態は当然よくありません。加えて、盗品や遺品が混じっていることもあるので、リスクもあります。

お金持ちは人に自分のものが使われることを嫌がって捨ててしまうことが少なくありません。ですから、海外の中流階級以上だと、近所にリサイクルショップはいらないと考えている人が大半なのです。

非常に実利的で損得をシビアに考える北米やイギリスの人たちでさえもリサイクルショップを使うのはある程度の階級以下の人であり、それ以外の人は基本的に使わないのです。

しかし、日本では中流以上に該当する人々でもリサイクルショップでものを買わざるを得ない状況になってきています

日本では最近、ずいぶんとひび割れた道路が増えました。昔は舗装されたばかりの道路が多かったのですが、ここ20年ばかりは老朽化してそのままになっている道路も少なくありません。歩行者が段差に取られて転倒しそうになっているところもよく目にします。

また、路肩や中央分離帯にも雑草が生え放題の地域が増えてきました。これは欧州の豊かな国だとあまり見られないことです。こういった国では、雑草の処理や街路樹の手入れなどのメンテナンスも細やかにやっているので、日本のように荒れていません。それも、中心地から離れた郊外の地域でもやられているのですから驚くべきことです。

一方、経済が停滞しているイタリアやスペイン、ギリシャなどの国だと話は変わります。道路はひび割れたところが増え、雑草が生え放題で街路樹はろくに剪定されていません。最近の日本は、欧州の貧乏な国に近づいてきているということでしょう。

2022年、イギリス人の私の夫は10年ぶりに日本を訪れました。彼は日本の現状を見て、大きな衝撃を受けていました。

街を歩けば、100円ショップや激安店が目立ち、看板には介護施設や高齢者向けの医療サービスの広告だらけになっているのです。

飲食店も昔よりも価格が下がっており、旅行者にはありがたいのですが、価格が下がるということはそれだけ儲かりにくくなっているということです。そんな先進国ははっきり言って日本だけです。

そして夫は「道行く人の服装や表情もなんとなく暗いね」と言っていました。

さらに、夫はイギリスの国立大学の研究者で、専門は経営学なのですが、世界各国のデータを見ていて毎回驚かされるのが日本人の「給料の安さ」だといいます。あまりにも給料が安いので、これは本当に先進国のデータなのかと信用ができないらしいのです。

もちろん彼は日本のデータ収集や統計の正確性はよくわかっているので、嘘のデータではないということは知っています。途上国や独裁国が出しているデータとはまったく違うのです。しかし、だからこその驚きなのです。

そして、私も実際に日本の上場企業や大学で働く人々の給料の金額を聞くことがありますが、「まるでギリシャじゃないか」と驚いてしまうほどの低賃金です。