「手元にまとまった金置くな」「スマホ位置情報に注意を」弁護士が前町長に不適切助言

2021年の山梨県富士川町発注の公共事業を巡る贈収賄事件で贈賄側の弁護人だった男性弁護士が、前町長に不適切な助言をしたとして、県弁護士会に戒告の懲戒処分を受けていたことが分かった。処分は7月19日付。

関係者によると、男性弁護士は、設計事務所代表の弁護を担当。代表から頼まれ、前町長に「手元にまとまったお金を置かない方がいい」「現金を処分する際は、スマートフォンで位置情報を取られるので注意した方がいい」と電話で伝えた。前町長は逮捕直前、手帳に書いてあった代表との面会記録などを消し、手元の現金をゴミに混ぜて廃棄したという。

県弁護士会が設置した懲戒委員会は「故意に証拠隠滅に加担したわけではない」としながらも、不注意だったとして「品位を失うべき非行だ」とした。

男性弁護士が所属する事務所の担当者は「代表は無罪を主張しており、弁護士はそれを信じ、利用されてしまった。懲戒処分は厳しすぎると考える」と話した。日本弁護士連合会に審査請求することも検討するという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230805-OYT1T50169/