オミクロン株出現以来の大進化! コロナの新しい変異株「BA.2.86」はマジでヤバい!?
8/26(土) 8:00配信

週プレNEWS
■XBB対応ワクチンの効果にも影響
2019年の末に中国の武漢で最初の流行が始まって以来、3年半以上にわたり、何度も変異を繰り返してきた新型コロナウイルス。佐藤教授によると、新型コロナの変異は大きく分けてふたつ考えられている。

ひとつは、感染する過程でウイルスの遺伝子の「コピーミス」が蓄積し、連続的に小さな進化を繰り返す「抗原ドリフト」と呼ばれる現象と、もうひとつは、一気に大きく変異する「抗原シフト 」と呼ばれるものだ。

BA2.86の出現は、その変異の多さからも、オミクロン株登場以来の「大進化」といえる部類なのだという。

「現時点でBA2.86の性質についてはまだわかっていないのですが、これまで確認された感染者に限れば、従来の変異株に比べて症状が重いといった報告はないようです。ただその一方で、ウイルスにこれだけ多くの変異が入ると『免疫回避性』(免疫から逃れる性質)がさらに高まっている可能性があるというのは、多くのウイルス学者が懸念している点です。

オミクロン株が登場した時点で、新型コロナの免疫回避性は大きく高まり、ワクチンによる感染予防効果の低下を招いていました。そこで、今、世界的な流行の主流となっているXBB系に対応した新たなワクチンが開発され、9月20日から接種が始まる予定なのですが、仮にこの先、XBB系統とは大きく異なるBA.2.86の感染が広がれば、このXBB対応ワクチンの効果にも影響が出る可能性があります」(佐藤教授)

ちなみに、8月22日、アメリカで新たに確認されたBA.2.86の感染者は、「日本からの渡航者」だったという。しかも、アメリカへの入国直後、ダラス空港の検疫で感染が確認されたというから、今のところ感染者が確認されていない日本でも、すでにBA.2.86の感染が広がっていると考えたほうがよさそうだ。

「新型コロナウイルスの変異は絶え間なく続いていますが、いわゆる『5類移行』後、空港での検疫も含めて国内の監視体制も大幅に緩められ、今では変異株を特定するゲノム解析の件数もピーク時の20分の1以下に減っている。これでは新たな変異株の出現や流行を素早く察知することができません」(佐藤教授)

BA.2.86の登場が、2023年後半の新型コロナとの戦いにどんな影響を与えるのか......? 新型コロナ感染拡大以降、年末から年始にかけて繰り返されてきた感染の波が大きなものにならないことを祈るばかりだ。

取材・文/川喜田 研 イラスト/PIXTA

https://news.yahoo.co.jp/articles/8f0a4d622c6cea8d3456a262f4ee0c02a86e4190?page=2