同僚だった女性教諭殺害、犯行時の心情…666回の着信、700万円払っても別れられず「逃げたい、死にたい、その一心でした」

 去年5月、北海道帯広市で、同僚だった女性教諭を殺害した罪などに問われた36歳の元高校教諭の男…一審の釧路地裁は、承諾殺人だったとして、懲役6年6か月を言い渡しましたが、この判決を不服とし、検察は、8月14日付けで控訴しました。裁判で元高校教諭の男は、犯行時の心情について「この人から逃げたい、死にたい、その一心でした」などと語りました。
 片桐朱璃(しゅり)被告36歳は、帯広市の高校教諭だった去年5月30日、パチンコ店の駐車場の車内で、北見市の教諭、宮田麻子さん(当時47歳)の首をシートベルトで締めて殺害した上、遺体を市内の雑木林に埋めた殺人と死体遺棄の罪に問われています。

 片桐被告と宮田さんは、同年3月までオホーツク地方の高校の同僚で、それぞれ妻や夫、子どもがいましたが、2018年から男女の交際関係にありました。

遺体が埋められていた帯広市の雑木林
 一方、弁護士は「被告人は(宮田さんが)同意していると思い、殺害に及んだので、同意殺人が成立。犯行に追い込まれたのは、被害者の言動にある」として、情状酌量を求めていました。

 公判3日目の7月13日は、片桐被告への被告人質問が行われました。
 争点となっている同意殺人について、片桐被告は被告人質問で、下記のように話していました。
・弁護士
「犯行前の午前4時半ごろ、宮田さんに『もう、死ぬしかない』と伝えた時の心情は?」
・片桐被告
「この人から逃げるために、これが終わるために、逃げたい、死にたい、その一心でした」
・弁護士
「なぜ、宮田さんが2回、頷いたと思うか?」
・片桐被告
「私が妻と別れずに一緒にいたこと、妻と子と生活を続けていたこと、別れ話をいつもしていたが、その時は、いつもより強く言ったことが被害者にとってショックだったのかなと思った」
・弁護士
「犯行時の心情は?」
・片桐被告
「何も考えられていなかった。余裕がなかったと思います。気づいた時には、被害者の口から血が出ていたのが見えて、殺害してしまったと思った」
・弁護士
「宮田さんが亡くなった後、自殺を試みたか?」
・片桐被告
「考えることができなかった」
・検察
「犯行後、自殺しようと思わなかったのはなぜか?」
・片桐被告
「家族との生活を思い浮かべて考えてしまった。家族と一緒に暮らしたいと思ってしまった」
・検察
「被害者が死亡したから(片桐被告が)死ぬ必要がなくなったのではないか?」
・片桐被告
「自分の生活を守るために、被害者を手にかけようとは思っていなかった」
「死に追いやったのは事実ですし、生き残ったのは事実だったが、だまして相手を死に至らしめようとは、まったく考えていなかった」

<これまでに検察と弁護側が明らかにした経緯など>
<検察>
・2016年に同僚となった際、すでに片桐被告に妻、宮田さんには夫と2人の子ども
・2018年から交際、妻と離婚するなどとウソをついて、関係継続しながら解消も考える
・2021年、妻との間に子どもが生まれる
・2022年、帯広市の高校に異動、解消に向けて連絡避ける
・頻繁に宮田さんから連絡あり
・5月29日、顧問をしていた野球部の練習場を訪問される
・5月30日、高校に駐車していた車の中が荒らされ、隠していた住所知られる
・自宅前で待ち伏せされ、走行中の車内で妻と別れることを要求される
・関係解消も継続も不可能と考え、パチンコ店の駐車場で「もう、死ぬしかない」と伝える
・宮田さんが頷いたので「自分も死ぬのであれば、死ぬ気になった」と認識
・一緒に死ぬつもりがあるように装い、殺害することを決意
・後部座席に移動し、お互いの首にシートベルトを二重に巻き付ける
・自分だけゴム手袋はめる
・お互いに引っ張り合うも、およそ10分後、宮田さんだけ窒息死
・遺体を自分の車に移して出勤、授業や野球部の活動をこなす
・雑木林に遺体を埋め、宮田さんのスマートフォンや車検証を焼いて痕跡隠滅
・アダルトサイト閲覧
 身勝手な動機、経緯に酌量の余地はなく、意思決定が強く非難されると指摘する。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/600745