帰還困難区域の解体現場から金属類無断持ち出し、売却 元請けが調査

9/19(火) 5:00配信

東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の建物解体工事現場で、
放射性物質に汚染された可能性のある廃棄物から鉄くずなどの金属類が複数の作業員に無断で持ち出され、
売却されていることが関係者への取材で明らかになった。環境省発注事業である放射性廃棄物処理の流れを逸脱して、
区域外で資材として再利用されるおそれがある。

環境省は毎日新聞の取材に、元請けの大手ゼネコン鹿島が調査したり警察に報告したりしていると回答。
他の現場でも無断持ち出しがないか調査するかについては「警察の動向も踏まえつつ対応を検討中だ」としている。

無断持ち出しが判明したのは、第1原発が立地する福島県大熊町にある町図書館・
民俗伝承館(一部2階建て延べ床面積約2200平方メートル)の解体工事現場。

鹿島などの共同企業体(JV)が周辺の除染工事などと合わせて約50億円で落札し、今年2月ごろに工事が始まった。

関係者の話では、複数の作業員が今年4〜6月ごろ、解体工事現場から出た鉄くずや銅線を仮置き場に持って行かずに
帰還困難区域外にある県内の業者に持ち込んで売却。少なくとも7回繰り返され、約90万円を得ていたとみられる。【関谷俊介】

https://news.yahoo.co.jp/articles/00ecf545af6a0027e1be445ebf0757622f64ae40