戦死兵の精子廃棄が物議、撤回法案審議へ ウクライナ議会(AFP=時事)
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【AFP=時事】ウクライナで、戦死した兵士の精子や卵子の利用を禁止する新法が物議を醸している。議会では29日、利用禁止を撤回するための改正法案が提出された。

同国では昨年、兵士が戦場で負傷した場合に備え、精子や卵子の凍結サービスを無料で受けられるようにする法案が可決され、今年3月に施行される予定。だが同法では、兵士が死亡した場合には、精子や卵子は廃棄されると定められている。

ある弁護士が先週、依頼人の女性に対し、戦死した夫の精子が使えなくなると伝える際の心境をフェイスブックにつづったことがきっかけとなり、幅広い議論が巻き起こった。

弁護士は「女性の夫は国を守るために死んだのに、夫が死後に父親となる権利を、文字通り議員が奪うのだ…悲嘆に暮れる女性に、いったいどう説明すればよいのか」と吐露していた。

議会のオレナ・コンドラチュク(Olena Kondratyuk)副議長は、「死後の生体材料の廃棄を撤回する改正法案がきょう提出される」と述べ、「市民の憤りの声が、可決を後押ししてくれれば」と期待を示した。

コンドラチュク氏はまた、改正法では、保存されている精子や卵子の利用が、死亡した配偶者だけでなく未婚のパートナーや両親にも認められる可能性を示唆した。【翻訳編集】 AFPBB News