NTT西日本の子会社NTTビジネスソリューションズ(BS社、大阪市)から顧客情報928万人分が流出したとされる事件で、岡山県警生活安全捜査課と津山署は31日、山田養蜂場(岡山県鏡野町)の顧客情報を名簿業者に渡したとして、不正競争防止法違反(営業秘密領得、開示)の疑いでBS社の元派遣社員の男(63)=兵庫県芦屋市=を逮捕した。「全て間違いない」と容疑を認めている。

男はBS社で勤務していた2013年7月~23年2月ごろ、社内で取り扱っていた企業や自治体など69団体の保有する個人情報を持ち出したとされる。複数の名簿業者に2千万円以上で売却した疑いがあり、岡山県警は換金目的だったとみて流出経路や動機などの解明を進める。

逮捕容疑は23年1月17日、コールセンターシステムのサーバーから営業秘密に当たる山田養蜂場の顧客の氏名や住所、電話番号など3万2759人分の個人データをノートパソコンにダウンロードし、東京都内の名簿業者にメールで送信した疑い。売却額は約2万円だったという。

県警は22年3月、405万人分が漏えいした恐れがある山田養蜂場から相談を受けていた。捜査の過程で男が関与した疑いが強まり、関係先の家宅捜索でパソコンや記録媒体などを押収、任意で事情を聴いていた。男は08年6月から23年7月までBS社で派遣社員として勤務していた。

NTT西側は23年10月、顧客情報の不正流出を公表。被害に遭った企業や自治体などはNTT西系列のNTTマーケティングアクトProCX(大阪市)が運営するコールセンターに業務を委託しており、同社のコールセンターのサーバーの保守運用を担っていたのがBS社だったという。

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