「かつては、日本人がやらない仕事を外国人が担う、というイメージでした。
でも、はっきり申し上げたい。今は、外国人の方が優秀で、しっかり働いてくれる。少なくとも、私の店ではそうです」

この数年で「外国人労働者」へのイメージが様変わりしたと話すのは、東京23区内にある牛丼チェーンの店舗で店長をつとめる相田正俊さん(仮名・40代)。
かつて、安価な飲食店やコンビニの従業員が外国人であることに違和感を覚えた、という人は筆者を含め多いかもしれない。
外国人従業員は日本語が下手で意思疎通がとりづらく、日本人のように愛想もないからサービスを特に求められない職場で働いているー。
そんなイメージの中で語られてきた。

しかし、最近では飲食店やコンビニに限らず、土木工事現場やアパレル店、さらには派遣会社を通じて役所で働く外国人労働者が増加している。
ふと振り返ってみると、いつの間にか外国人労働者に抱いていた違和感が無くなった、という人も、これまた筆者を含め、少なくないはずだ。

ところで、外国人労働者の日本国内における労働の現場と言えば、先述したような飲食店やコンビニなど低賃金の職場や、
日本人がやりたがらないキツくて汚くて危険な、いわゆる「3K職場」がほとんどであった。その最たるものと思われてきた都内の建設・建築現場を覗けば、
必ずと言ってよいほど外国人労働者の姿を見かける。ところが彼らはユンボ(パワーショベル)を操ったり、
大型トラックを運転したり、難しい資格や技術を要する、単純労働以外の仕事も担っていることが少なくない。
要するに、日本人が敬遠し続けてきた3K職場で、業務の中枢をすでに外国人が請け負い始めているのだ。

学ぼうという向上心もなく、文句を言うばかりの日本人
「労働者不足を解消するには、もはや外国人、移民しかない。すでに議論の余地はないというところまで来ている」

こう話すのは、神奈川県内で土木工事会社を経営する本多勝幸さん(仮名・50代)。今では移民受け入れを認めている本多さんだが、
日本の労働者不足の為に外国人技能実習生を頼ったり、移民を受け入れることに対してずっと違和感を持っていたという。
しかし、にこの数年で「そうも言っていられなくなった」と肩を落とし、不安を口にする。

「うちで働いていた技能実習生のベトナム人は、確かに薄給で多忙だったかもしれませんが、着実に技能を習得し国に帰って土木事業会社を興して大成功を収めています。
正直、帰国せずずっと働いて欲しかったくらいで、今もたまに”帰ってこい”とメッセージを送るのですが、
日本は給与が安いし、従業員のモチベーションも低い、と敬遠される」(本多さん)

本多さんが抱いている不安とは、すでに日本人と外国人の立場が逆転しつつある現状についてだ。

「優秀な外国人が帰国し、残ったのは資格も技能も無い、単純労働しかできない日本人だけ。学ぼうという向上心もなく、文句を言うばかりで、
いくら人手不足だと言っても、こちらも受け入れたくないくらいです。優秀な外国人を呼んで、日本人を指導してもらう、
というような現実が、すぐそこまで来ているんです」(本多さん)

本多さんの言い分は、多くの日本人にとっては「経営者のエゴ」に見えるかもしれない。
しかし現実には、3K職場どころか技術職でさえ外国人労働者が担うようになり、文句ばかりを言って働かない日本人たちがただそこに取り残される、
ということが起きているのだ。

たとえば、別のある介護現場では、元々技能実習生だった外国人が母国へ帰国後に独立し、今では元いた介護現場に部下を研修に送り込み始めている。
見方によっては「日本人の仕事が奪われている」とも取れそうだが、こうした現実に声を上げる人はいないのだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/25860581/