イヌが人懐こくなった理由は「難病遺伝子」に

彼女が7月19日付けの科学誌「Science Advances」に発表した論文は、イヌとオオカミの遺伝的基盤の違いについて、興味深い結果を示している。

マーラのように極端に社交的なイヌでは、GTF2IとGTF2IRD1という2つの遺伝子に変異があることが明らかになった。一方ヒトでは、これらの遺伝子の変異は、妖精のような独特な顔つきや人懐っこさなどを特徴とする「ウィリアムズ症候群」と関連づけられている。

フォン・ホルト氏は、イヌの遺伝子のこの変異は正常な機能を抑制し、ウィリアムズ症候群の患者と同じ問題を引き起こすのではないかと考えている。

「私たち人間は、ある行動症候群をイヌにもたせることで、愛玩動物を作り出したのかもしれません」と彼女は言う。
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