欧州連合(EU)欧州委員会は8日、米英やアラブ首長国連邦(UAE)などとの共同声明で、食料不足が深刻化しているパレスチナ自治区ガザに向けて、地中海の島国キプロスから海路で支援物資を搬入するための「海上回廊」を開設する方針を発表した。

 イスラエル政府は回廊を歓迎するとした上で、同国の基準に従って積載物の検査を行うと明らかにした。

 声明では、「ガザへ海から直接支援を届けるのは手間がかかり、可能な限り効率的に搬入するよう努める」と指摘。回廊と並行し、ガザへの支援増加には陸路による搬入拡大の必要性を改めて訴えた。キャメロン英外相もX(旧ツイッター)に「最も速く支援を届けるため、イスラエルにはガザへのトラック輸送を認めるよう促し続ける」と投稿した。

 人道危機が悪化するガザでは、米国やアラブ諸国などが上空から支援物資を投下している。ただ、AFP通信によると、ガザ北部では8日に投下された支援物資の直撃を受けた5人が死亡、10人が負傷した。目撃者は「物資に付けられたパラシュートが開かず、ロケットのような速度で民家に衝突した」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/485e94665c6dfa31ef5c56d70bc46aa7813e2c60