[プレイレポ]「幻想水滸伝」クリエイターによる「百英雄伝」は,JRPGの原点を思い出させてくれる――すべてのJRPGファンに感謝を込めて
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505 Gamesは2024年4月23日,Rabbit & Bear Studiosが開発を担当するRPG「百英雄伝」(PC / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PS5 / PS4 / Xbox One)の発売を予定している。

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 今回,ベータ版をプレイして最初に感じたのは「オールドスタイルすぎる」ことだった。
 まず,ランダムエンカウントであることに驚き,ダンジョンの妙に長い道中も気になった。大抵の場合,ちょっとした仕掛けがあり,その謎を解かないと先に進めないのだが,解法を求めてウロウロとさまよっていると何度も敵とエンカウントして戦闘が繰り返される。昨今,このような場面では敵と遭遇しないようになっているRPGも多いため,(逆に)随分と攻めている印象を受けた。

システムまわりでは,メニュー画面を呼び出すボタン(Xbox用コントローラの場合,[Y]ボタン)を押してから,実際にメニュー画面が表示されるまでに約1.5秒の間があるほか,戦闘に入ってからも「おまかせ」を選べるようになるまでに同様の間がある。これはなかなか慣れることはなく,かなり気になった。

 戦闘の高速化がない点も気になった。シンボルエンカウントならまだしも,ランダムエンカウントかつ戦闘の高速化もないため,問答無用に時間がかかるということだ。「確かに昔のJRPGはそうだった」とは思うが,例えば「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作「〜XI S」は戦闘のモーション高速化を導入しているように,タイムパフォーマンスが重要視される現代ではユーザビリティの不足を感じる人がいても不思議ではない。

また,ファストトラベル機能も存在しない。最初のダンジョンを攻略後,プレイヤーは「仲間を集める」ことになるが,どこに仲間がいるのかはノーヒント。そこそこの距離がある町や村,砦,ダンジョンを手探りで行ったり来たりするしかない。
 最初は地理を覚えるためにもいいだろうが,さっき行った町に再び行くのにまた長い距離を徒歩で……というのは,いささか前時代的ではないだろうか。もちろん,その道中では何度も敵と遭遇して,戦闘が発生することになる。

町の中の施設にも引っかかるところがあった。RPGではお馴染みの宿屋はHP/MPの回復と,冒険のデータをセーブできる。中でもエルティスワイスの町の宿屋は,主人公たち警備隊の拠点と言える場所になっているが,町のかなり奥にあるのだ。

多くのRPGにおいて,宿屋は町の入口付近に配置されている。戦闘で傷ついた体を回復して,また冒険を続ける……というサイクルを繰り返すRPGでは,そのほうが都合がいいからだ。主人公が町を走る速度は遅くないが,速いわけでもない。何度も行き来しているうちに,筆者がストレスを感じたのは事実だ。

JRPGが隆盛を誇った1990年代から二十余年。JRPGも少しずつ改良を重ねて,遊びやすく進化している。
 筆者が「百英雄伝」を数時間だけプレイして思ったことは,「あの頃の確かなJRPGの感覚がある」と同時に,前述の「現代では不親切としか思われないのでは?」と心配になる要素を「懐かしい」で済ませていいのか……という迷いだった。