米金融当局が利下げを待つ姿勢を維持すると示唆する場合、夏にかけてドルは170円まで上昇するリスクがあると、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルはみている。

チーフ為替ストラテジストのキット・ジャックス氏は、ドルが150円を上抜けて上昇を続けていることでドル強気派が勢いづいていると指摘。過去30年間にドル円相場がオーバーシュートした例を参照すると、さらに13%動くと見込まれるという。

インタビューに応じたジャックス氏は、「現時点で最も危険なのは、心理的に大きな節目を破った後で米金利見通しの期待が修正される時だ」と述べ、「1ドル=170円が実現するとすれば、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)までにあるだろう」と続けた。

ロンドン時間19日午前のドル円相場は154円50銭前後で推移している。今週は一時154円79銭と、1990年以来の高値を付ける場面もあった。

日本の当局が為替介入を繰り返せば円安の動きは鈍化するかもしれないが、日本の低金利と世界最大の対外資産保有国としての地位に全く変化はないと、ジャックス氏は論じた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-19/SC6V9ODWRGG000