お言葉を全て英語で述べられた陛下
そして、日本時間26日午前4時前。
両陛下がホテルから出てこられ、にこやかな笑顔で沿道に手を振られた。雅子さまはティアラをお召しになったドレス姿に着替えられていた。
沿道から「天皇陛下~ 雅子さま~」という声が大きく響く中、車に乗っても窓を開け、声援に応えられていた。
そして、午前4時半過ぎ。
チャールズ国王夫妻がバッキンガム宮殿で主催する晩さん会に出席された。
チャールズ国王のスピーチは「英国に、お帰りなさい」という日本語で始まった。
日本語での“おもてなし”に、笑顔を見せられた陛下。カミラ王妃の隣に座る雅子さまも、笑みを浮かべられていた。
スピーチでは、イギリスでも人気のキャラクターに触れる場面もあった。
チャールズ国王は「ハローキティの誕生日を、ぜひお祝いしたいと思います(陛下は笑みを浮かべられる)」とイギリス生まれという設定の「ハローキティ」やフィッシングの話題の流れでゲームにも言及した。
また、「あのポケモンの名セリフ、「全部ゲットだぜ!」は、私の孫たちにはぴったりくるかもしれません」とも述べ、日本発の人気ゲーム「ポケットモンスター」の話題を取り上げ、会場の笑いを誘ったチャールズ国王。
そのスピーチの最後には、こんな場面もあった。
「これからの日英関係の、新たな400年のために、乾杯を捧げます。カンパイ!」
スピーチの流れそのままに、チャールズ国王は、一人でカンパイ。準備をする時間がなかった陛下は、苦笑いを浮かべられた。
会場で「君が代」が演奏されたあと、改めて、グラスを合わせた陛下と国王。
続けて、あいさつに立たれた陛下は、全て英語でお言葉を述べられた。
「このたびは、私と皇后を、国賓としてお招きくださり、心から御礼申し上げます」とした約14分に及んだ陛下のお言葉は、祖父の昭和天皇や、父・上皇さまに触れられる場面もあった。
「日英両国には、友好関係が損なわれた、悲しむべき時期がありましたが、苦難の時を経た後に、私の祖父や父が、女王陛下にお招きいただき、天皇としてこの地を訪れた際の想いが、いかばかりであったかと感慨深く思います。そして、計り知れぬ努力をもって、両国の未来の友好のために力を尽くしてこられた人々に、皇后と共に深い敬意と感謝の念を表します」とスピーチした陛下。
終始、和やかな雰囲気の中で行われた晩餐会だった。