先生に聞いてみた

日本の選挙において、インターネットを使った情報操作(いわゆる「ネット工作」)を業者に依頼し、報酬を支払う行為にはいくつかの法律が関与します。その違法性は具体的な行為内容や状況により異なりますが、以下のような法律に抵触する可能性があります。

1. 公職選挙法
公職選挙法では、選挙運動において報酬を支払うことを禁止しています(第199条の2)。選挙運動は有権者に対し、特定の候補者への投票を依頼する行為を指します。
例外として、選挙運動員ではなく、選挙事務所で働く人や広告業者が「通常の業務」に対する対価を受け取る場合は合法とされています。しかし、これが選挙運動に該当する場合、報酬の支払いは違法になります。
2. サイバー犯罪防止法や不正競争防止法
虚偽情報をインターネットに掲載して世論を操作しようとする場合、場合によってはこれらの法律にも抵触する可能性があります。
3. 名誉毀損や偽計業務妨害
ネット工作の内容が、特定の候補者や政党に対する誹謗中傷やデマの拡散であった場合、民事・刑事責任が問われる可能性があります。
4. 選挙管理委員会の規制
選挙期間中のネット上の活動に関しては、規制が設けられており、特に第三者に代行を依頼する場合、その内容が選挙運動に該当するかどうかが問題になります。
違法性の具体例
候補者に有利な情報を大量に投稿するため、業者にアカウント操作やコメント投稿を依頼し、選挙運動とみなされる場合。
偽の支持者を装ったアカウントを作成し、候補者に有利な発言をさせる場合。
これらは、法律違反として罰則の対象になる可能性があります。選挙活動で業者を使う場合は、公職選挙法に基づいて厳格に管理する必要があります。