では、描くべき価値のあったそのテーマとは何かと言うと、「組織対個人のあり方」です。映画版に引き続きメガホンをとった藤井道人監督に話を聞くと、「これこそドラマ版で伝えたかったメッセージだった」と語っていました。
「見せたかったのは国家の陰謀ではありません。集団や組織に対する個人のあり方でした。これはどこの世界でもコミュニティーが存在する限り、あるものです。個人のあり方とはいったい何か。作品を通じて、このメッセージを届けたいと思いました」
物語の登場人物である新聞記者、若手官僚、公務員、就活生それぞれが組織と個人の関係性に悩む姿を確かに印象づけています。「組織とは何か」「組織は絶対的であるのか」「組織に従うことが組織に属する者の宿命なのか」ということを訴えかけ、答えはひとつでないことも見せています。
劇中にある「組織の中で生きることがどれだけ大変か」というせりふは唯一、実際に誰もが共感することなのかもしれません。決してそれは明確に答えを出すことに対する逃げではなく、組織vs.個人はどの日本の企業でも、どこの国でも永遠の課題です。リアリティーを追求した結果なのだと思います。
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